多くの人は、物心ついた頃から「食べたら歯を磨きましょう!」と言われてきたのではないでしょうか?そのため、虫歯ができる前に磨かないと!とできるだけ早く磨くのが良いと思い込んでいる人が多いかと思いますが、実は、歯磨きは食べた後すぐにやると、歯を逆に傷めてしまうことがあるのです。
それはなぜなのか?と言いますと、食後すぐは、虫歯菌が食事に含まれる糖を餌に酸を出して歯の表面を溶かし始めているため、歯の表面がやわらかくなっており、歯ブラシでゴシゴシやってしまうと歯がすり減ってしまいやすいからです。それではどのくらい経ってから歯磨きをした方がいいのかというと、食後最低30分くらい経ってからです。
食事中や食後には唾液が多く分泌されます。そして、酸で溶かされた歯の修復をしてくれる働きをするのが唾液です。唾液は虫歯菌によって作られた酸を中和し、さらに唾液中に含まれるカルシウムやミネラル成分が、歯から溶け出したカルシウムを補い、修復してくれるという「再石灰化作用」が働きます。
このように唾液は歯を守ってくれる作用があるため、唾液の効果を十分に発揮させてから歯磨きするのが望ましいのです。皆さんも食後の歯磨きは一息ついてから行うようにしてみてくださいね。