インプラント治療とは
インプラントとは失くしてしまった歯を補うために、人工の歯根をあごの骨に埋め込む治療法のことです。その上に人工の歯をかぶせ、自然な見た目、天然の歯に近い噛みごたえが得られます。骨にしっかりとくっつくため、第二の永久歯とも呼ばれています。最近特に注目を集めているため、新しい治療と思われがちですが、実はインプラントの歴史は古く、1970年代頃より普及し始め、現在ではすでに数十年の歴史があります。また、その後次々と改良が加えられ、安全性も高くなってきています。
歯が抜けた場合にその部分を補う方法としては大きく分けて、インプラント、義歯、ブリッジがあります。他の治療と比較した場合のメリット、デメリットは次の通りです。
インプラントのメリット・デメリット
メリット
自分の歯の感覚に近い噛み心地が得られる
見た目が自然で違和感もない
周囲の歯を削ったりしなくて済む
お手入れ次第では何十年でも持たせることができる
デメリット
治療を始めてから歯が入るまで数ヶ月かかる
手術が必要であるため、体の状態によってはできないことがある
骨が少ないケースではできないこともある
高額である
しっかりとメインテナンスをしないと感染を起こしてダメになることがある
インプラント治療の流れ
インプラント治療は次のように進められます。(2回法の場合)
1)カウンセリング
患者さんの悩みやご希望をふまえ、インプラント治療についての説明やカウンセリングを行います。健康状態や喫煙の有無などもお伺いします。
2)診査・診断
口の中の診査、レントゲンなどによる画像診断、口の中の模型を作って歯ぐき、骨の状態の確認を行ったのち、治療計画の立案、費用の確認を行います。また、虫歯や歯周病がある場合にはその治療を先に行います。
3)一次手術
インプラント体を骨に埋め込みます。
4)治癒待ち(3〜6ヶ月)
インプラント体と骨がくっつくのを待つ期間です。
5)二次手術
インプラント体と骨がしっかりくっついたら、インプラント体の上部を露出させる手術を行います。
6)治癒待ち(1〜6週間)
二次手術をした後の歯ぐきの治り待ちです。
7)かぶせ物の型取り
精密な型取りを行い、かぶせ物の製作を行います。
8)完成
かぶせ物が出来上がったら装着します。
インプラント治療における注意点は?
インプラントも天然の歯の歯周病のように感染を起こすことがありますので、毎日の歯磨きが極めて大事です。さらに、歯科医院で定期的に経過を観察し、メインテナンスを受ける必要があります。それらがきちんと行われていない場合、感染によるインプラント周囲炎を起こして抜け落ちてしまう可能性が高まります。また、喫煙や糖尿病は感染を起こしやすくする危険因子です。ヘビースモーカーの方や、糖尿病のコントロールができていない方はインプラント治療が受けられない場合がありますのでご注意ください。