歯科恐怖症の患者さんにとって、歯医者通いは並大抵のものではありません。歯医者に行くことを考えただけで気分が悪くなってしまったり、動悸がしてしまったりなど、体の具合まで悪くなってしまうことも珍しくありません。そのため、どんなに虫歯がひどくなっても歯医者に行くことを避け続け、歯がボロボロになってしまう人もいます。
歯科恐怖症というのは、子供の頃に歯医者で怖い思いをしたり、痛い思いをした経験が原因になっていることが多いと言われています。小さい頃の辛い思い出がトラウマになり、一生それを引きずることなってしまうのです。
お子さんがこのようなことにならないためには、「虫歯をつくらないようにすること」、これが最も大事です。「虫歯ができたらその時に治療すればいい」という考えでいては、治療を受ける時に嫌な思いをしてしまう可能性があります。虫歯がなければ歯を削る必要はありませんから、歯医者嫌いになることもありません。
虫歯を予防するためには、歯が生え始める赤ちゃんの頃から歯科を受診し、定期的に検診を受けながら、虫歯にならないためのブラッシング方法や食生活に関するアドバイスやフッ素塗布を受けるのが効果的です。歯医者を「痛くなった時に行くところ」としてではなく、「歯の健康を維持するところ」として活用していくことが、歯医者嫌いな子供にさせないためのポイントかもしれません。