すきっ歯というのは日本ではあまり好まれない傾向があるようで、「このまま大人の歯になってもすきっ歯になるんでしょうか?」と、子供の乳歯のすきっ歯を気にされる親御さんも少なくありません。
結論から言いますと、乳歯がすきっ歯だからと言って永久歯がそのまますきっ歯になる、ということはありません。乳歯の歯と歯の隙間は専門用語で「発育空隙」と呼ばれており、実はこの隙間が乳歯から永久歯に生え変わる際、とても大事な役割を果たします。
発育空隙が空いていることにより、小さな乳歯が抜けた後、その後に生えてくる大きな永久歯が歯並びの中に収まり、きれいに並ぶことができます。つまり、乳歯のすきっ歯は永久歯の歯並びがきれいに並ぶのにとても役立っているのです。
逆に歯並びが乳歯のうちから隙間なく詰まっている場合、永久歯の歯並びが悪くなってしまう可能性が高いです。また、乳歯が隙間なく生えている場合、歯と歯の間に歯垢がたまって虫歯になりやすくなりますので、歯ブラシの際、デンタルフロスで歯と歯の間も磨く必要性が出てきます。
以上のような理由から、乳歯の段階でのすきっ歯はとても好ましいものと言えるので、むしろすきっ歯であることを喜んでもらっていいでしょう。