歯石は白いもの、というイメージがあるかもしれませんが、歯石には黒いものがあるのをご存知ですか?実際普段目にするものは白い歯石ですが、目では通常見えないところに黒い歯石が付いていることがあります。
白い歯石は歯肉縁上歯石と呼ばれ、歯茎のラインよりも上の部分にある歯の表面に溜まります。これは歯垢が唾液中にあるカルシウムなどでかたまってしまったものであるため、白い色をしています。歯ブラシでは落とせませんが、歯医者の器具を使えば割合簡単に落とすことができます。
黒い歯石は歯肉縁下歯石と呼ばれ、歯茎の溝の中、歯周ポケットの中に溜まります。そのため、健康な歯茎で歯周ポケットのない人には付きません。歯周病で歯周ポケットが深くなると、その奥の空気が少ない環境を好むP.g菌と呼ばれる細菌が繁殖します。この細菌は黒い色素を産出します。また、歯周病で炎症が起こると、歯肉溝浸出液や血が出ますので、その色素によっても歯石が黒く色づいてしまうのです。黒い歯石は非常に硬く、取り除くのが困難なのですが、取り除かなければ歯周病が進んでしまうため、目に見えないところではありますが、白い歯石と同様、定期的に歯医者で取り除く必要があります。