「歯が溶ける」というと虫歯を連想しますが、虫歯の他にも、酸性食品を多く取りすぎることが原因で歯が溶けてしまうことがあります。これを「歯牙酸蝕症」と呼びます。酸性食品には酢やみかん・レモンなどの柑橘類、ワインなどのほか、炭酸飲料やドレッシングのようなものも含まれますので、現代の食生活においては、いかに日常的に酸性食品を摂っているかお気づきになることでしょう。
そして、このような飲食物による酸蝕症だけでなく、胃液でも歯が溶けてしまうことがあります。例えば過食嘔吐があるような人の場合、歯がかなり溶けているケースをよく目にします。しかし、過食嘔吐が全くなく、胃が弱くて胸焼けの症状がよく起こる人の場合も、食道を通じて胃酸が口の中に上がってくることにより、歯が溶けてしまうことがあるのです。
胸焼けの症状は大人だけに起こるものではなく、子供に起こることもあります。子供の場合に注意しなければならないのは、永久歯に次々に生え変わってくる時期の場合、新たに生えた構造的に弱い永久歯が酸によって特に溶かされてしまいやすい、ということです。
そのため、もしも胸焼けの症状にたびたび悩まされている、という場合は、歯のためにも早目に消化器科や内科で相談し、治療を受けることをおすすめします。