普通、奥歯の真ん中部分は溝になって凹んでいますよね。ところが、たまに小学生でこの溝の部分にツノのような突起が出ているのを見ることがあります。このツノの正体は「中心結節」と呼ばれる先天異常で、小臼歯(前から4、5番目の歯)に現れ、下の前から5番目の歯に最も多く見られます。出現率は全体の4%以下くらいで、決して多くはありませんが、誰に起こってもおかしくないと言える頻度でもあります。
この中心結節の厄介なところは、ツノの部分にも神経が入ってしまっていることです。このツノがある状態で何も気にせずに噛んでいると、そのうちツノが折れて、神経が露出し、感染を起こします。そうなると歯の寿命を縮めてしまうことにもなります。ですが、そのようなことが起こる前に発見できた場合、ツノが折れにくくなるように処置を受けることができます。
乳歯の奥歯が抜けて小臼歯に生え変わるのはだいたい9歳〜12歳くらいです。乳歯の奥歯が抜けたら、その下から生えてくる小臼歯に親御さんがよく注意を払っておいてください。そしてツノのようなものを見つけたら、早めに歯医者さんで一度見てもらいましょう。